顧客の「YES」を自然に引き出す:営業で活用する“コミットメントと一貫性の法則”

2025.04.06

コミットメントと一貫性の法則とは?

「コミットメントと一貫性の法則」とは、一度自分で下した判断や発言、態度を、その後も一貫して守ろうとする人間の心理を指します。

たとえば、つまらないと思いながらも読みかけの本を最後まで読んでしまったり、効果が薄いと思いながら続けてしまう健康法などがその一例です。一貫性を守る行動は、外部からの評価だけでなく、自分自身への“整合性”を保とうとする深層心理に根差しています。

さらに、「コミットメント(確約・関与)」が強いほど、その後の一貫性への圧力は高まります。自ら“やる”と宣言した人ほど、それを守る傾向にあるのです。

なぜ営業に効くのか?

営業においては、いきなり「契約してください」と迫っても断られるのが常です。しかし、「まずは資料だけ見ていただけますか?」「1分だけお耳をお借りしてもよろしいですか?」という“小さなYES”は取りやすいものです。

ここで相手にとって軽いコミットメントを取ることで、その後の行動(面談・資料確認・導入検討など)につながりやすくなるのです。

実践例①:テレアポ初動での小さなYES

NG:「ご提案したいことがありまして…」

OK:「お忙しいところ恐れ入ります。1分だけお耳をお借りしてもよろしいでしょうか?」

この一言で“話を聞く”という行動に対するコミットメントが生まれます。

実践例②:クロージング時の言質トリガー

NG:「ご都合悪ければご連絡ください」

OK:「ご都合に変更があれば、ご連絡いただけますか?」

相手に言葉として“はい”と返させることで、その約束を守ろうとする心理が働きます。これだけでドタキャン率が下がるという実証結果もあります(レストランの予約事例など)。

実践例③:フォローコールでの活用

「先日“資料は確認しておく”とおっしゃっていたので、その後のご感想を伺えればとご連絡しました」

過去のコミットメントを活用することで、相手は“言ったからには見ておかないと”という一貫性の心理に引っ張られます。

注意点:誠実な営業設計の中で使うこと

一貫性の法則は強力ですが、あくまで“相手の意思”を尊重しながら使うことが大前提です。無理にYESを引き出すことや、心理的に追い詰めるような使い方をしてしまうと、信頼を損ねる原因になります。

まとめ:営業は小さなYESの積み重ね

営業とは「売り込むこと」ではなく、「信頼を積み重ねること」。コミットメントと一貫性の法則は、その信頼形成の第一歩を後押ししてくれるツールです。

最初の小さなYESが、やがて大きな成果へとつながる。そう信じて、私たちは一件一件の対話を丁寧に積み重ねていきます。

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